ゼロの相棒
新たな魔法使い
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夜が明けて、目を覚ますと
ゼロが真剣な顔つきで窓の外を見ていた。
「…ゼロ?どうしたの?」
私がゆっくり起き上がると、ゼロが目線を変えずに答える。
「明朝に妙な魔力を感じた。
…この気配には覚えがある。」
ゼロの藍色の瞳が深い色を放っている。
そう言うと、ゼロはくるっ、とこちらを見た。
「朝食べたら早急にここを出た方が良さそうだな。」
私は普通の人間だから何も感じなかったが…。
町で何が起こっているのか、ゼロにはわかっているようだった。
「危険なことなの…?」
私が尋ねると、ゼロは
「フィオネは心配すんな。」
と、顔色を変えずに言ったのだった。