ゼロの相棒
そうか、少年の姿になっているときは
ゼロは本当の力を出せないんだ。
ジンは私とゼロを交互に見ながら言った。
「はぁー…。
再会できたのは嬉しいけど、僕の知らない間にゼロに恋人ができていたとはね。」
ジンの言葉に私はゼロよりも素早く反応する。
「恋人なんかじゃないよ!私は。」
ジンは大きく目を見開く。
「え?違うの?じゃあどんな関係さ?
二人旅なんかしちゃって……。」
誤魔化さなくてもいいのに、と
ジンはニヤニヤしながらゼロを見る。
ゼロは表情を変えずに答えた。
「俺の相棒だよ。」
その時、ジンの表情が一変した。
「相棒…?この子が?」
声のトーンも一気に変わる。
ジンが真剣な顔つきになった。
「フィオネちゃんは人間だろ?
……本気で言ってるのか?」
ジンの顔つきにただならないものを感じる。