ゼロの相棒
「私が相棒になりたいって、ゼロに言ったの。」
私の言葉にジンが驚いた顔になる。
「フィオネちゃんの方から言ったの?」
少しの沈黙が続く。
そしてジンがためらいを振り払うように口を開いた。
「フィオネちゃん…君は………」
ジンが何かを言いかけた時だった。
さっきまで大きな口を開けていた町の入り口の門が、音を立てて閉まり出した。
町の人々もざわざわと騒ぎ出す。
そこに男性の大きな声が響いた。
「魔獣が近くに集まってきている!
門を封鎖するから、みんな早く町の中へ逃げろ!!」
その声にジンとゼロも反応する。
「魔獣だって?」
「今朝とさっきとで放出された、お前の魔力に引き寄せられてきたんだろうが!
アホ!」
だから早く町を出たかったんだ、とゼロは嘆く。
そういえば、この町は高い壁に囲まれていた。
あれは魔獣よけの為の仕組みだったんだ!