ゼロの相棒
ゼロが辺りを見回して、頭をくしゃっ、とかき上げた。
「この分だと、今日この町を出るのは無理だな。
……仕方ない、もう一泊するか。」
門が閉じてしまった以上、この町を出る手段がない。
それに、もし出れたとしても、外は魔獣の巣窟だ。
「一旦、宿屋へ戻って、マリーさんにもう一泊の予約を入れよう。」
魔族狩りの騒ぎでキャンセルが出たって言ってたから、たぶん泊まれるだろう。と、ゼロは歩き出す。
するとジンも
「今晩泊まるところ決めてないな。
ゼロの宿の部屋が余っているのを願うか。」
と、私たちについてきた。
「俺たちの部屋には泊めないからな」
ゼロはジンをじろ、と睨んだ。