ゼロの相棒




ゼロが辺りを見回して、頭をくしゃっ、とかき上げた。





「この分だと、今日この町を出るのは無理だな。


……仕方ない、もう一泊するか。」





門が閉じてしまった以上、この町を出る手段がない。





それに、もし出れたとしても、外は魔獣の巣窟だ。






「一旦、宿屋へ戻って、マリーさんにもう一泊の予約を入れよう。」






魔族狩りの騒ぎでキャンセルが出たって言ってたから、たぶん泊まれるだろう。と、ゼロは歩き出す。





するとジンも




「今晩泊まるところ決めてないな。


ゼロの宿の部屋が余っているのを願うか。」




と、私たちについてきた。






「俺たちの部屋には泊めないからな」






ゼロはジンをじろ、と睨んだ。




< 69 / 508 >

この作品をシェア

pagetop