ゼロの相棒
「まぁ…あいつが語らないのもわからなくはないが…。」
ジンは落ち着いた声で私に言った。
「僕からは言えないけど…ゼロはきっと、フィオネちゃんに言ってくれると思うから。
……待っててやって欲しい。」
真剣な顔つきでジンは私を見た。
私はゆっくりと頷く。
それを見て、ジンは、やっと少し笑った。
「じゃあ、代わりに僕がゼロの過去の話をしてあげる。」
そう言うと、ジンは
ぱっ、と私の目の前に手を出した。
不思議に思って見ていると、ジンの瞳が蒼色に光りだした。
「フィオネちゃん。見てて…。」
ジンがカーペットの上に手をかざすと、
そこにぼんやりと、見たこともない景色が映り出した。
「今から……僕らの過去の話をしよう。」
ジンは静かに語り始めた。