ゼロの相棒
「ゼローっ!!」
私は力の限り大きな声を出して彼の名前を呼んだ。
それに気づいて、少年は広場の上空を見上げる。
「お前ら!なんでここに!」
ゼロは少し険しい顔で私たちを見る。
そんなゼロに、ジンは
にこり、と笑って答える。
「この魔獣は僕の魔力に引き寄せられて来たみたいだからね。
僕がちゃんと落とし前つけないと、って思って。」
なんでフィオネを連れてきたんだよ。
とゼロが睨む。
「彼女がゼロの力になりたいって言うもんだから、つい、ね。
…彼女には怪我はさせないよ。」
ジンは私の方を見ながら言う。
「ゼロ!私も相棒として一緒に戦うわ。」
私はゼロをまっすぐ見つめて言った。
少しでも役に立てることがあれば、ちゃんと力になりたかった。
ゼロは迷っているように見えたが、私の意思が固いのを感じると
ジンの方も見ながら言った。