ゼロの相棒
「この広場に魔獣をおびき寄せて、ケリをつけようと思う。
でも、魔力に引き寄せられてもっと数多くの魔獣が来たら手に負えないな…。
…魔法を使わないで倒せると思うか?」
魔法を使わずに?
私はゼロの持っている大きな剣をまじまじと見る。
「ゼロ、武器で戦えるの?」
私は心配して尋ねる。
魔法が使えないなら、ゼロはごく普通の少年と変わりないと思っていたからだ。
「そこそこは使えるが…今の体じゃあ、どうなるかわからないな…。」
ジンは、俺は武器は得意じゃないな。
と、頭をかく。
その時、ゼロがハッとした顔でこちらを見た。
「ジン!お前が町の周りに魔獣よけの結界の魔法をかければいい!
その間に俺がヤツを魔法で倒すんだ。
それなら町の外に魔力は漏れない。」
お前の力なら出来るだろ?
と、ゼロはジンを見上げる。