ゼロの相棒
二人の夜
****
「フィオネちゃん、具合はどう?」
広場での戦いを終えたあと、私はそのまま意識を失ってしまったようで。
気が付いた頃には私はマリーの宿屋のジンの部屋でベットに寝かされていて、窓の外はもう夜になっていた。
「ジンの魔法って治癒もできるのね。ありがとう。だいぶ治ったわ。」
私の言葉にジンは
治癒魔法は知り合いに教えてもらったんだよ、と、苦笑いする。
「全身傷だらけの血まみれ、おまけに肋骨まで折ってるんだもん。驚いたよ。
フィオネちゃんみたいな人間の女の子が出来るかどうか、不安だったけど…
よくやり遂げたね。」
まったく、傷だらけで可愛い顔が台無しだよ。
と、ジンが嘆く。
肋骨まで折ってたんだ…。
確かに魔獣に殴られて飛ばされた時
今までにないぐらい激痛を感じた。
でも、全身の傷はジンが綺麗に治してくれたし、今は元通りに回復している。
よかった……ちゃんと二人の役に立てた…。
私は、ほっとして少し顔が緩む。