ゼロの相棒
私は、パタン、とジンの部屋の扉を閉める。
そして自分の部屋の前に立った。
そういえば、ジンからゼロの過去を聞いてから、ゼロとゆっくり話すのは初めてだ。
なんだか緊張してしまう。
その前に、ゼロが話もできないほど弱っていたらどうしよう。
私は目をぎゅっと閉じた後
ふぅ、と小さく息を吐いて
ゆっくり扉を開けた。
すると、空気が一気に変わったのを感じる。
私は目を見開いた。
「…!………ゼロ…?」
私が中に入ると、パタン、と部屋の扉が自然に閉まる。
私の目の前には黄金の髪をした“青年”がいて
大きな窓の向こうには、漆黒の空が広がっている。
漆黒の夜空を背景に、まるで月のように、その青年は立っていた。
「今夜は…朔の日だったのね…。」
私が静かに口を開く。