叶ったはずの恋。
『お久しぶりです、夏希』
そう言ったのは桐ちゃんではなく、大ちゃん。
大ちゃん…島 大(シマ ダイ)
あたしたちが中学2年のとき、赴任してきた英語の教師。
そして、あたしが所属していたソフトボール部の副顧問。
「どうして……
どうして大ちゃんがここにいるの??」
やっぱり、桐ちゃんは約束のこと、忘れちゃってるのかな?
それとも、もうあたしのことを想っていないの…??
胸が苦しくなって、
目頭が熱くなって、
あたしはその場に座り込んでしまった。