叶ったはずの恋。
「大ちゃんさ、どうしてここにいるの?」
たまたま屋上にいたなんて、偶然にも程がある。
『僕は今日の日に果たされるはずの約束を、知ってますから。』
「あはは」
あたしは思わず笑ってしまった。
”果たされるはず”
って、もう過去形なんだよね。
うん、過去形か…
『やっぱり僕じゃ、ダメですもんね』
大ちゃんも笑う。
乾いた笑い声で。
「でも大ちゃんでよかったよ」
桐ちゃんの代わり、というワケではないけど、
大ちゃんがいてくれて、助かった気がする。
「でもさ、なんで大ちゃんは今日のこと知ってたの?」
と、あたしが聞くと
大ちゃんは着ていたジャージのポケットから2枚の封筒を取り出した。