叶ったはずの恋。






夏希?元気か??


もう、18歳か。

俺は30近くなってるよ。


かなりのオッサンだな。

と、こんな話してる場合じゃないや。


夏希、お前には今、好きな人はいるのか?

って、そりゃあいるよな。
もう18なんだもんな。

恋の1つや2つ、してるか。



それとも、まだ俺のこと想ってくれてるのか?


もしそうなら、もう俺のことキライになってくれ。

もう俺のことを待っていないでほしい。

もう…全て、忘れてほしい。


お前はまだ若い。

これから生きていく中で、俺よりもっともっといい人に出逢うと思う。


夏希はその人と幸せにならなくちゃいけない。

俺なんかのためにお前の大切な時間を使うな。


ほら、隣を見ろ。

島先生がいるだろ?


男の俺から見ても島先生は格好いいと思う。

外見だけじゃなく、内面も。


きっと島先生は俺なんかより夏希を幸せにしてくれる。


だからもう、俺のことは忘れてくれ。



ごめんな、夏希。




絶対、幸せになれよ。





桐島龍貴より





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