叶ったはずの恋。
分からない。
意味が…分からない。
手紙の内容だって、
今、桐ちゃんがどこにいるのかだって、
どうして桐ちゃんが来ないのかも、
何も、分からない。
どうしてキライにならなきゃいけないの?
どうして待ってちゃいけないの?
どうして忘れなきゃいけないの?
どうして、謝るの…??
桐ちゃん。
勝手すぎる。
勝手すぎるよ…
気が付いたときにはもうすでに手遅れで、
目からポロポロと涙が零れ始めていた。
必死で涙を拭うのに、
止まる気配はいっさいなくて。
『夏希、泣いて下さい』
隣から大ちゃんの声。
あたしは首を横に振る。
だって約束したから。
あの日に、
桐ちゃんに、
「最後の涙だから」
って、言ったんだ。