叶ったはずの恋。
「別名、学校探検さ!!」
はぁ~と、あたしは溜め息をつく。
「分かったよ。
学校行きたいんでしょ?学校に。」
と、あたしが言うと陽菜はウンウンと頷く。
「あ、そう言えば中ちゃんと大ちゃんに会った」
陽菜はいいなぁーと、連呼していた気がしたが
あたしは気にしない。
そのあと、陽菜たちは帰って行った。
『夏希、俺に隠してることあるだろ?』
リビングへ降りると兄貴が冷蔵庫の前に立っていた。
「別に。何もないけど。」
兄貴を押しのけ冷蔵庫の中からジュースを取り出す。
『ウソだ。絶対ウソ。
俺に隠し事してんじゃねぇよ』
あまりに兄貴がうるさかったから、あたしは一言だけ言った。
「大ちゃんに会った」
と。
きっと兄貴ならこれだけで理解できると思う。