叶ったはずの恋。






正直、ビックリして起きあがるところだった。


必死で寝たフリして、演技してた。



まさか、思ってもみない展開でどうしようもなくて。



桐ちゃんのあの言葉を信じられなくて、

パニックになりまくってて。




今、思い出すとここがあたしと桐ちゃんの本当の始まりの場所だったのかもしれない。



あのあとすぐに兄貴が来たから助かったけど、


もし兄貴が来なかったら…


そう考えるとちょっと胸が高鳴る。


もしかしたら、付き合うことになってたかもしれないじゃん?



ま…その可能性はゼロに近いけど。


にしても、今思い出すべきことじゃなかった。


桐ちゃんのあの言葉を思い出して、


今なんで桐ちゃんが隣にいてくれないのか、


そんなことを思ってしまうあたしがいて。



よけいに辛くなった。



胸が、痛かった






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