叶ったはずの恋。
大ちゃんの過去の恋
『いつの間にか本当の自分の姿、隠すようになってた。
たださ、ストレス溜まるんだよ、どうしても。
だからちょっと遊んでストレス解消してた。
あ、今から話すこと、結構強烈かもしんないけど引くなよ?』
大ちゃんはそう前置きして話し始めた。
自分の、過去の恋のことを…
『ヤるだけの女が数え切れないくらいいて。
携帯の電話帳は女の名前が半分以上だった。
まあ所謂、『セフレ』ってのがいっぱいいたんだ。
不特定多数ね。
今思うと、相当俺は最低なヤツだったよ。
さっき仁くんと同じくらい…って言ったけど多分違うな。
仁くん以上だ。
ヤっては捨てて…を繰り返してた。
でも、そんな俺の前に不思議なヤツが現れた。
そいつのおかげで俺はまともになれて、
そして今の俺がいる。』
大ちゃんが遠い目をして、
グラウンドから手を振っている生徒を見つめていた。
なんか大ちゃんの雰囲気が変わった気がする。
どこがどう変わったのか、
よく分からないけど、何かが違う。
前よりも格好良くなった。
外見も内面も。
それだけは言える。