叶ったはずの恋。
『その話聞いたとき、涙止まんなくて。
そこが公園でよかったよ。
慶子は
「自分は汚れてる。
もう大の横にいる資格はない」
って、言ってたらしい。
俺、悔しかった。
慶子はそんな風に俺のこと見てたんだ、って思ったら悔しくて仕方なかった。
慶子は慶子だし、
汚れてるなんて俺は思わない。
一生、愛す自信だってあった。
なのに、そんなこと言われて。
俺、慶子の実家に走った。
たまたまそのとき慶子の親がいなくて、家から出てきたのは慶子だった』
背中だけじゃなく、大ちゃんの声も震えていた。
あたしは大ちゃんの背中に手を置いた。
「いいよ、大ちゃん。
もう話さなくていいって。」
そうあたしが言うのに大ちゃんは首を振って
『俺のこと、知ってほしいんだ。
本当に夏希のことが好きだから』
なんて言って。
すごく胸が熱くなった。