叶ったはずの恋。
Side 龍貴
『龍先生、好きな人いる??』
仕事をしている俺の横で教壇に座り、足をブラブラさせながらそう聞くのは
『ん?どうしたんだよ、瑛司??』
俺の生徒の瑛司(エイジ)
結構俺のことを慕ってくれてて、外見は軽そうなのに意外に中身はしっかりしてる。
『いや?別に気になっただけ』
瑛司は答えない俺に追求するワケではなく、なぜか鼻歌を歌い出した。
『そういうお前はどうなんだよ?』
そうすると瑛司の鼻歌は止まり、なぜか睨まれる。
『どうして龍先生は教えてくれないのに、俺が教えないといけないの?』
…………それもそうだ。
ちょっと…都合良すぎるか??
それから授業後の教室には俺のペンの音だけが聞こえていて。
その空気が耐えられなくて
『いるよ…好きなヤツ』
と、言った。
あ~ぁ…
何言ってんだ、俺
あくまでも瑛司は俺の生徒だろーが…