叶ったはずの恋。
『ふ~ん…やっぱりいるんだ。
そんな気がしてた』
俺は動かしていた手を止めて瑛司と向き合う。
『で、お前は?
俺も答えたんだから答えろよ?』
はぁ~と、超特大の溜め息をついた瑛司。
そして
『俺も…いるよ
青春真っ盛りだもん』
と、答えた。
青春真っ盛りって…おい。
『なぁ…瑛司
もし、お前に大切なヤツがいたとするだろ?
でも瑛司はどうしてもそいつの傍を離れなくちゃいけない。
そんな状況にお前がおかれたとしたら、どうしたと思う??』
口に出してから後悔した。
俺の半分くらいしか生きてない瑛司に何を聞いてるんだ…
と。
『そんなの、分かんねぇよ。
だってどんな状況でそうなったのかまったく分かんねぇもん。
ただ1つ言えることは、
本当にその人が好きなら何年経ったとしても迎えに行く。
例えその人に大切な人ができたとしても。』
意外にも瑛司はちゃんとした答えをくれて。
14歳ってこんなにもしっかりしてるんだ、
と、感じた。