叶ったはずの恋。





「夏希さ、大ちゃんに暇な日、聞いといてよ

春休み中で頼むよ?


じゃないと私たち、帰っちゃうじゃん??」


うん、分かるよ。陽菜。


けど、けどさ!なんて言えばいいか分かんないけど…

誘うとか、あたし…できそうにないんですが…?



「じゃ、帰るね。

今日は兄妹水入らずで仲良くしてください?


またね。仁さん、夏希」


陽菜はそのまま家を出て行った。



「兄貴…送らなくていいの?」


彼氏なら送るべきでしょ?



『いいの、別に。

それより夏希。説教するから座って』


兄貴はさっきまで陽菜が座っていた場所をバシバシと叩く。


え…?

陽菜を送るより、
あたしの説教を優先するの…??


しかも、説教って何よ?!





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