叶ったはずの恋。
『夏希、行くぞ!!』
あの電話から1週間後。
春休みも残すところあとわずか。
そんなときに、行われた
…………トリプルデート
大ちゃんはなぜか仕事がなく、
兄貴も陽菜も陸も朝子ちゃんもなぜか暇で。
そしてもちろん(?)あたしも暇で。
『お待たせー!!』
はしゃぐ兄貴の後ろであたしは小さく溜め息。
って…溜め息なんてついてちゃいけないか。
ハッとして顔を上げるとそこには全員いた。
陸と朝子ちゃんなんてちゃっかり手、繋いでて。
陽菜と兄貴も手を繋ぐ。
あたしにはそんな恥ずかしいことができるワケもなく、
パーカーのポケットに手を突っ込んだ。
可愛くないことくらい、十分承知してる。
でも、恥ずかしさには勝てないでしょ?