叶ったはずの恋。

『おはよ、夏希』


大ちゃん特有の爽やか笑顔を見せられると少しドキドキする。


罪だ、その笑顔。




「今日、どこ行くの??」


前には陸と朝子ちゃん、陽菜と兄貴がいて。

２組ともすごく仲良さそうで。


朝子ちゃんも陽菜もすごく幸せそうな顔をしていた。


とてもあたしにはできないような顔で。


あ～ぁ…ないよ…マジない。



『そう言えば…俺も聞かされてない』



ってか…笑っていい??

ダメ…やっぱり笑いを堪えきれる自信、ない。


と、誰にも許可を得てないのにあたしはふきだした。


大ちゃんの『俺』は、どうもツボにはまる。

何がおかしいのか自分でもよく分からないが、おもしろい。



『何笑ってんだよ??』


大ちゃんに小突かれる。



「大ちゃん…やめてよ。

『俺』って言うの」


笑いながら必死で大ちゃんに伝える。