叶ったはずの恋。






『はぁ~?!意味、分かんねぇ!

じゃあ夏希はこれのほうがいいのかよ??』


コホッと咳をした大ちゃんは口を開く。



『僕、今ソフト部の顧問やってて。

この間、全国制覇したんですよ』




「えぇぇぇぇぇぇぇ?!?!」


懐かしい大ちゃんの敬語に頷きながらも

大ちゃんの言葉に驚きを隠せない。


だって…今の言葉って…



『マジですよ?

あれからうちの部はグングン伸びてって。
この間、ついに全国制覇したんです。』


あたしは口をパクパクさせる。


声が出なかった。

全国制覇なんてあたしの頃は夢のまた夢で。


手が届くわけもない雲の上のようなもので。


それを手にしたって…



『夏希たちがいたからですよ。

後輩が先輩に負けないように努力しまくってましたから』


そんな大ちゃんの言葉にあたしはニヤける。


なんか…嬉しくない??

あたしたちを見て後輩が頑張ろうと思ってくれるなんて。






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