叶ったはずの恋。





『うぉー!大ちゃんが敬語バージョンになってる!!』


前にいた兄貴が叫ぶ。



「え?!マジで!!

懐かしいよ!大ちゃん!!」


なぜか陽菜まで興奮状態になって。



『あ…どうもです。

やっぱ僕は…このほうがいいんですかね?』


複雑な表情の大ちゃん。

あたしは断然、今の大ちゃんのほうがおもしろくて好きだな。




「え?大ちゃんって普段…敬語じゃないんですか??」


後ろが騒がしいことに気がついた朝子ちゃんが驚いた顔をする。




『あ…やべぇ…

うちの生徒、いるんだった。』


大ちゃんが小声で呟く。

そして頭をガシガシとかいて



『ん?何を言っているんですか?』


大ちゃん…それは無理があるな。

誤魔化しきれてないって。


兄貴も陽菜も必死で笑いを堪えようと頑張っていた。





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