叶ったはずの恋。
「じゃ、またね」
とくに何をするでもなく、
ショッピングセンターで買い物をしたあたしたち。
そしてそれからは別行動になった。
って…3組でデートする必要あったか??
若干首を傾げながら大ちゃんのあとを歩く。
『夏希…どっか行きたいところある??』
気づくとなぜか駐車場にいるあたしたち。
まさか大ちゃん…車なの??
「特に…ないかなぁ
いいよ、大ちゃんの好きなところ行こうよ」
目の前の黒いワゴン車に乗り込む。
1度だけ桐ちゃんの車に乗ったことあるけど、
大ちゃんの車の中はいい匂いがする。
あ、別に桐ちゃんの車がくさかったワケじゃないけど。
『じゃ…海行こっか。
定番でごめんな』
ハンドルを握る大ちゃんは何か決心したような顔つきで。
「大ちゃん…どうしたの??」
思わず、声をかけてしまう。
『ん…何が?』
大ちゃんは少し前からあたしのほうに視線をずらす。
でも瞳は少し揺らいでいて。
動揺してるのがよく分かった。
演技ヘタ過ぎだよ、大ちゃん