strawberry tea×わがまま姫♀
**蓮side**
ガコンッ
そう鈍い音がしたと思ったら、観覧車が……
止まった。
……?
故障か?まじかよ……
冬嘉は慌てているし、少し震えていた。
…そりゃこんな高い所で止まったら怖いよな。
……それに。
観覧車は冷房が効きすぎてる。
こいつ…冷房弱いのに上着持って来てねぇのか。
俺は冬嘉にバッグから取り出した上着をかけた。
「……え?」
冬嘉は驚いている。
『…お前、冷房弱いのに上着持って来なかったのかよ』
俺がそう言うと、今だ驚いている冬嘉。
理解できてないらしい。
……馬鹿め。
そして、ようやく気付いたような顔をすると、少し笑った。
………っ。
そんな嬉しそうな顔、すんなよな。
上着を着た冬嘉には、上着が大きくて、ダボダボだった。
「…ありがとうっ…」
そう笑顔で言った冬嘉に…何だか心臓がはねた気がした。
『…ん、分かったから』
俺は照れ隠しに早口で言った。
『隣、座れ。』
ぷ…またキョトンとしてるし。こいつ大丈夫か?
年上に見えねぇ。
『隣。座れ。』
俺が再びそう言うと、再びやっと理解したようでクスッと笑って隣に座った。
『…笑うな』
「笑ってません~♪」
『…何その態度。
上着返せ。』
「やだ!!せっかく蓮が持ってきてくれたのに…」
せっかく、の部分からゴニョゴニョと言葉を濁した冬嘉。
っ。
…何言ってんだよ、こいつ。