strawberry tea×わがまま姫♀
帰り道
『何があったの?』
蓮と今沢君が見えなくなった時、姫央が言った。
……え?
『冬嘉と守谷君…喧嘩した?凄い2人共…
悲しそうな顔してた…』
「…そんな事無いよ?」
嘘をついた。
『無理しないで?
あたし達、会ったばっかりだけど、凄い楽しかったよ?
友達って関係だよね?話して欲しい……』
相談、乗ってくれるの?
………っ。
「…ありが…と…」
涙が出そう。
『ううん。
大丈夫?』
優しいね。姫央…
「…うん。
あのね……」
あたしはゆっくり姫央に話した。
観覧車での出来事。
喧嘩した事。
謝らなきゃいけないのに、口から出ない言葉……
『そっか…』
姫央は暗い顔をしていた。
『冬嘉、帰り道謝りな?
守谷君もきっと同じ気持ちだよ!
2人とも素直になれないだけだよ!
…ってあたしが言う事じゃないけどね。』
そう言って姫央は苦笑いした。
…ありがとう、姫央。
『頑張って謝りな!?
あたし、冬嘉の気持ちよく分かる。
だからこそ、頑張って!』
……ごめんね。
ありがとう。
「…うんっ…頑張る…」
涙がこらえられなかった。
ボロボロと頬を伝った。
「ごめんねっ…あたし達のせいで…嫌な思いした…よね?」
すると姫央は優しく笑った。
『してないよ!
大丈夫だから。ね!』
…良い友達が出来たな。
「…ん。
頑張って言う!
ありがとう!本当にありがと!」
『頑張って!メールしてね!』
姫央のおかげで勇気でたよ。
ありがとう。
一人じゃ何も出来ないあたしに付き合ってくれる人。
家族、友達…恋人。
あたしだったら、冬嘉という人間には付き合いきれないのに。
それなのに優しくしてくれる人が沢山いるなんて、あたしは幸せ者だ。
…大切にしなきゃ。
…頑張ろう。