strawberry tea×わがまま姫♀



**蓮side**






『海宝と何かあった?』


今沢が俺を連れて来て、冬嘉達から離れた所で言った。




………っ。

2人とも態度に出てたか。




「…別に」
『あっただろ?
じゃあ何であんな顔してたわけ?2人とも。』


………。



「…何もねぇって。」



今沢達には迷惑かけたくねぇ。


俺らの問題なのに、今沢達まで嫌な思いにはさせたくねぇし。



『何もねぇわけねぇだろ?
最後が楽しくなくてどうすんだよ。』


……。
今沢の言う通り。






「…冬嘉と喧嘩した。」

俺は小さな声で言った。



すると、今沢はため息をついた。


『やっぱりな。観覧車でだろ?
何があった?』


俺は腹をくくって話し始めた。











『何でお前は海宝をからかってばっかりなわけ?
(俺が言えねぇけど)』



「………」



結局ガキなのは俺。













「…好きな奴ほどからかいたくなるって言うだろ?」


…………。



冬嘉がキレてたのは分かってたけど、やっぱり俺はからかいたくなって。

冬嘉の反応が可愛くて、どうしようもなかった。


別に、傷つけようとしてからかったわけじゃない。



けど、結果的には、冬嘉を傷つけていた。




ガキなのは俺……







『じゃその事海宝に伝えれば?そうじゃねぇと海宝、誤解したままだぜ?』


……確かに。


俺の子供じみた馬鹿な事で、冬嘉傷つけたんだよな。



『お前ら2人とも素直じゃねぇよ。
もっと素直になれよ。

もちろん、2人が仲良いのは分かってるけど、そこが治らなきゃうまくいかねぇよ?』




……そうだよな。
今沢の言う通りだ。




お互い頑固で意地っ張りなんだから、ちゃんと素直にならなきゃダメだ。


冬嘉と喧嘩して、冬嘉との関係が崩れるなんて、そんな事になるなんて御免だ。





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