strawberry tea×わがまま姫♀
『…ううん…』
冬嘉は声も震えていた。
「からかうのは…
好きな奴ほどからかいたくなるって言うだろ?
それで、なんだよな。
ガキだよな、俺。」
……情けねぇ。
『…っ。
嬉しい、よ?』
……え?
『好きな奴ほど…。
っ、確かにね!』
冬嘉はクスッと笑った。
何がおかしいんだよ。
もっと俺かっこ悪くなるじゃん。
「…冬嘉の事、大好き、だから。」
そう言ったら、冬嘉の俺の背中に回された腕の力が強くなった。
………っ。
そういう所が可愛いんだよ。
分かれ、馬鹿。
『あたしもっ…
大好き、だよっ…』
……っ。
こんな事言う奴だっけ?
可愛すぎんだよ。
その小さい体を強く抱き締めすぎて、壊れてしまいそう。
「…ごめんな。」
『…ごめんね。』
幸せだよ。
今こうして冬嘉を抱き締めていられる事……。
いや、俺には冬嘉さえいれば幸せだけど。
『…幸せだ…』
冬嘉が独り言のように小さな声で言った。
………っ。
以心伝心、ってこの事?
「…俺も。超幸せ。」
『…っ!?聞こえてたの!?』
ぷっ。
やっぱり独り言だったんだ。
「うん、ありがと。」
俺は冬嘉の顔が見えるように、体を離した。
予想通り。
冬嘉の顔は真っ赤。
そういう所も、大好きだよ。
「…冬嘉…」
『…ん?』
真っ赤な顔を見られないように俯く冬嘉。
無意味だし。
もう見たっつーの。
「キス、していい?」
月夜に並ぶ影が、そっと重なった。