strawberry tea×わがまま姫♀

『「ごめんって言った!?」』

またもやカブった。




『…言った、けど。』
「…あたし、も。」

嘘…蓮、謝ったよね？


あたしと同じ事考えてた？




……良かった…




そう思ったら、思いがドワッと胸に押し寄せてきた。



「…本当に、ごめん。」


あたし達は横に並び、ゆっくり歩く。




「…あたし心狭いよね。
勝手にキレちゃって…

…その…何か…ちょっと傷つい…て、さ…」



口から吐き出すように出てくる言葉。


さっきまではなかなか言い出せなかったのに。



安心感で一杯。





「それでキレて…
せっかく姫央達と遊んでたのに…嫌な思い…しちゃって。

あたし…ホントごめん…」



胸に広がる罪悪感。
安心感。


何だか良い気持ちとは言えないような不思議な感覚が押し寄せる。




「ストラップもくれて…上着も…あたしの事考えてくれてた、のに…

あたし自己中だし、頑固だし、意地っ張りだし……」



…ごめんね。



あたし、ホント馬鹿だった。





蓮に嫌な思いさせちゃったよね？

何も言わない蓮。



…視線が痛い。




ホント、蓮の言う通り。
あたしガキだな……




「…っ」


涙が、抑えられなかった。


目から溢れて、頬にどんどん筋を作った。

目頭や目の奥が熱くなった。


涙で月が綺麗に揺らめいた。




…泣くなんて。


でも、こらえらんない。




「…ごめん…
ホントにごめっ……」



あたしの言葉は遮られた。



優しくて温かい蓮に抱き締められたから。

力強くあたしを抱き締めてくれている蓮。



蓮の思いがひしひしと伝わってきた。