悪魔な君に恋をして
ー私が黒澤くんを悪魔だと知ったのは
今から3ヶ月前。
放課後、体育館裏に捨て猫がいると
聞いて一人で見に行った。
たしかあの日は台風が直撃していたから
大雨で学校内には誰もいない。
でも私は捨て猫が雨に打たれて凍えて
ないかな、と心配で傘も持たずに
体育館裏に向かった。
そしたら
バサッ
カラスよりももっともっと大きな翼が
広げられたのに気づいて
私は奥へと進んだ。
大雨と強い風に
よろつきながら進むと
私は思わず息を飲んでしまった。
バサッバサッ
そこには大きな黒い翼を背中から生やした
二人の男が赤い目を光らせながら
雨を浴びていた。
私の目はこれ以上開かないっていうほど
開き、すぐにここから離れなきゃ。と
本能的に感じて
固まった足をズルズル動かそうとすると
ギロッ
手前に立っていた男と目が合ってしまった。