悪魔な君に恋をして




横に吹っ飛んだ男の人は
のそりと起きあがって


私を抱いてる黒澤くんに目を向ける。





『なぜ助けた?』

『この子は、だめ。』

『まさか、お前。』

『ちがうよ、ただこの子はだめ。』



なんの会話か分かんないけど
黒澤くんは私を助けてくれたみたい。



黒澤くんは『だめ』という度、
私を抱きしめる手に強さが混じる。



男の人はそんな黒澤くんを見て
色気のある深い溜息をついた後、




『仕方ないな。』



と黒澤くんから視線を外した。




黒澤くんは『ありがと。』と男の人に
呟くと、動けない私の首筋に口を近づけて
舌先を這わせた。




『んっ』


黒澤くんのおかげで
ようやく声が出たと思うと
カラダも元どうり動く。




『黒澤くん?』


私は黒澤くんからカラダを離して
黒澤くんか確かめた。




黒澤くんは赤い瞳を細めながら



『そうだよ。』



と呟き、私の頭を撫でた。




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