Time Paradox
完璧な地図
2人は夕食をすませるとすぐに、ペンと地図、その他余分な紙を持って隠し通路に来ていた。
「今は地図で言うとこの辺りですね。この階段を降りると一階です。」
それから2人は黙ってその階段を降り、一階の通路までたどり着いた。
「一階は主に兵士たちの部屋ですね。」
2人は歩いて行き、地図にない部分は書き足していく。
2人の地図には簡単な魔法が掛けてあり、現在地を示す事ができるのだ。
だが通路が細かく枝分かれしていて、この地図がなければ迷子になりそうだった。
この際どこが誰の部屋かはどうでも良く、2人は新しく情報を集めては、部屋に繋がる通路をたくさん書き込んでいった。
「この地図を参考に、後で誰の部屋だったかを調べましょう。おそらく隠し通路から調べるよりも、普通の廊下から探したほうが簡単でしょうし。」
「そうね。…ねぇ、ルイスはどこまで地図を完成させてるかしら?」
「…何しろ何年もこの城にいますし、ずっと地下から噂を集めているくらいですからね。とっくの昔に完成させていますよ、きっと。」
「そっかぁ…ルイスに先を越されるなんて!」
リリアーナはぶつぶつと文句を言っていたが、行き止まりにぶつかって顔を上げた。
「…行き止まりですね。」
「…そんなの見て分かるじゃない?」
リリアーナはあきれて引き返そうとした時、アドルフに腕を掴まれた。
「おかしいですよね?」
「どこがおかしいと思うのよ?だって、行き止まりは行き止まりよ?」
アドルフはもう一度地図に目をやってから、目の前の壁を見る。
「だって、この真上の通路では部屋が続いているんですよ?」
リリアーナも地図を見てみると、たしかに二階にはいくつかの部屋に通じる通路が続いている。
「このお城の造りで言っても、この先に部屋はあるはずなのよ。もし行き止まりだとしたら、この壁の向こうは空洞ってことになるわ。」
「設計者がわざわざそんな無駄な事をするとは思えませんね。」
だが突然、リリアーナにあの日の記憶が蘇った。
「…もしかして…!」
リリアーナが壁の端を強く押すと、隠し通路の扉のように壁が回り、その先には階段が数段続いていた。
2人は顔を見合わせ、嬉しそうに笑った。
「今は地図で言うとこの辺りですね。この階段を降りると一階です。」
それから2人は黙ってその階段を降り、一階の通路までたどり着いた。
「一階は主に兵士たちの部屋ですね。」
2人は歩いて行き、地図にない部分は書き足していく。
2人の地図には簡単な魔法が掛けてあり、現在地を示す事ができるのだ。
だが通路が細かく枝分かれしていて、この地図がなければ迷子になりそうだった。
この際どこが誰の部屋かはどうでも良く、2人は新しく情報を集めては、部屋に繋がる通路をたくさん書き込んでいった。
「この地図を参考に、後で誰の部屋だったかを調べましょう。おそらく隠し通路から調べるよりも、普通の廊下から探したほうが簡単でしょうし。」
「そうね。…ねぇ、ルイスはどこまで地図を完成させてるかしら?」
「…何しろ何年もこの城にいますし、ずっと地下から噂を集めているくらいですからね。とっくの昔に完成させていますよ、きっと。」
「そっかぁ…ルイスに先を越されるなんて!」
リリアーナはぶつぶつと文句を言っていたが、行き止まりにぶつかって顔を上げた。
「…行き止まりですね。」
「…そんなの見て分かるじゃない?」
リリアーナはあきれて引き返そうとした時、アドルフに腕を掴まれた。
「おかしいですよね?」
「どこがおかしいと思うのよ?だって、行き止まりは行き止まりよ?」
アドルフはもう一度地図に目をやってから、目の前の壁を見る。
「だって、この真上の通路では部屋が続いているんですよ?」
リリアーナも地図を見てみると、たしかに二階にはいくつかの部屋に通じる通路が続いている。
「このお城の造りで言っても、この先に部屋はあるはずなのよ。もし行き止まりだとしたら、この壁の向こうは空洞ってことになるわ。」
「設計者がわざわざそんな無駄な事をするとは思えませんね。」
だが突然、リリアーナにあの日の記憶が蘇った。
「…もしかして…!」
リリアーナが壁の端を強く押すと、隠し通路の扉のように壁が回り、その先には階段が数段続いていた。
2人は顔を見合わせ、嬉しそうに笑った。