Time Paradox
1時間が経過した頃、20分の休憩を挟むことになった。
「いつもの通りどこへ行っても構いませんが、この時計で20分が経つ頃には戻ってくるようお願いいたします。」
そう言ってルイスは部屋を後にした。
リリアーナがふと、ルイスの座っていた席を見ると、何か黒い手帳のようなものが置いてあることに気がついた。
「アドルフ、あれ!」
リリアーナは好奇心でいっぱいの様子で手帳が置いてある椅子に駆け寄り、手に取った。
「ダメですよ、そういう物は勝手に開いちゃ!」
アドルフは開こうとするリリアーナの手から慌てて奪い取り、表紙の裏や表を入念に確認している。
「アドルフ、何してるの?いけないことかもしれないけど何か分かるかもしれないじゃ…」
「ほら、ここに何か小さく文字が書いてありますよね?」
アドルフが手帳の表紙の右下を指差す。
「…これがどうかしたの?」
その銀色の文字にアドルフが手をかざすと、影になった部分の文字がどういうわけか金色に光った。
「これって…」
「ルイスのいない間に勝手に開いたことが分かってしまうまじないです。誰が開いたのか、ということまで分かってしまいますよ。」
「…さすがはルイス、抜かりないわ!」
「こういう手を使って僕達をはめようとしているのが分かりますね。あまりうかつに動かない方がいいでしょう。」
「そうね…あぁ、でも何が書いてあるのかしら!」
「きっとルイスのスケジュール帳ですよ。」
「スケジュール帳⁉︎それが把握できたら完璧じゃない!」
「でも本当に見られては困りますよね?だからあえて偽物をここに置いたんですよ、まじないを掛けて。きっとこのノートは何も書かれていないダミーでしょう。」
リリアーナは手帳を元あった場所に置くと、アドルフの推理に拍手を送った。
「もしかしたらそれをルイスが確認するかもしれませんし、僕達も少しこの部屋を開けておきましょう。」
「そうね!」
二人はわざとらしく大きな音を立ててドアを閉めると、ゆっくりと廊下を歩き出した。
「いつもの通りどこへ行っても構いませんが、この時計で20分が経つ頃には戻ってくるようお願いいたします。」
そう言ってルイスは部屋を後にした。
リリアーナがふと、ルイスの座っていた席を見ると、何か黒い手帳のようなものが置いてあることに気がついた。
「アドルフ、あれ!」
リリアーナは好奇心でいっぱいの様子で手帳が置いてある椅子に駆け寄り、手に取った。
「ダメですよ、そういう物は勝手に開いちゃ!」
アドルフは開こうとするリリアーナの手から慌てて奪い取り、表紙の裏や表を入念に確認している。
「アドルフ、何してるの?いけないことかもしれないけど何か分かるかもしれないじゃ…」
「ほら、ここに何か小さく文字が書いてありますよね?」
アドルフが手帳の表紙の右下を指差す。
「…これがどうかしたの?」
その銀色の文字にアドルフが手をかざすと、影になった部分の文字がどういうわけか金色に光った。
「これって…」
「ルイスのいない間に勝手に開いたことが分かってしまうまじないです。誰が開いたのか、ということまで分かってしまいますよ。」
「…さすがはルイス、抜かりないわ!」
「こういう手を使って僕達をはめようとしているのが分かりますね。あまりうかつに動かない方がいいでしょう。」
「そうね…あぁ、でも何が書いてあるのかしら!」
「きっとルイスのスケジュール帳ですよ。」
「スケジュール帳⁉︎それが把握できたら完璧じゃない!」
「でも本当に見られては困りますよね?だからあえて偽物をここに置いたんですよ、まじないを掛けて。きっとこのノートは何も書かれていないダミーでしょう。」
リリアーナは手帳を元あった場所に置くと、アドルフの推理に拍手を送った。
「もしかしたらそれをルイスが確認するかもしれませんし、僕達も少しこの部屋を開けておきましょう。」
「そうね!」
二人はわざとらしく大きな音を立ててドアを閉めると、ゆっくりと廊下を歩き出した。