Time Paradox
エラはアーノルド家で一日置きに勤務している。

次の日の朝、準備を済ませてリビングに降りると、母が手招きをした。

「エラ、今度はデイジー・ペルツについても調べて来てくれない?」

母がエラの着ている制服のリボンを整えながら言うが、エラは目も合わせずに答えた。

「…分かりました。」

エラの母は、彼女の他人行儀な態度に少し寂しそうな表情になった。

「エラ、あなたにこんな事をさせるのは悪いと思っているわ。でもこんな事を頼めるのはまだ幼いあなただけなのよ。」

「お母様、そろそろ行かないと間に合わなくなってしまうので。」

エラはそう言うと、額に母のキスを受け止め、玄関を出た。
< 144 / 229 >

この作品をシェア

pagetop