Time Paradox
久々の休日で昼過ぎまでゆっくりと寝るつもりでいたジャックだったが、もう寝ていられないのか、郵便受けが開閉するわずかな音にも目覚めてしまった。
時計を見ると、今はまだ10時半だ。
朝刊には遅過ぎる時間帯だし、夕刊はそもそもカルロー家では取っていないはずだ。
しばらく二度寝をしようとベッドでもぞもぞしていたがやはり落ち着かないようで、勢いよく布団を剥がし、ベッドから降りた。
郵便受けを開けて中身を掴むと、思っていたよりも上質な紙の感触がした。
取り出してみると立派な印鑑で封がされていて、手をかざすと魔法を感じることができた。
印は金色で、交えた剣を囲む二頭の虎が描かれている。
この街でその印を知らない者はまずいない。
それは何を隠そう、現在王制をとっているナトリー家の家紋なのである。
それを見たジャックは慌ててセドリックの書斎からペーパーナイフを取り出すと、封を開けた。
そこには小さな厚紙が一枚と、半分に折られた便箋が入っていた。
厚紙の方は城からの招待状で、もうすぐ舞踏会があるため、パートナー同伴で参加しろとの事だった。
もう1つの便箋を開いてみると、こういう内容だった。
“親愛なるジャック様
お久しぶりです、いかがお過ごしですか?
最近はお会いすることが減ってしまいましたが、この機会に是非またお話したいと思い、招待状を同封させていただきました。
パートナーの方をお連れして、是非ご参加いただければと思います。
それでは、ジャック様のご参加をお待ちしております。
アドルフ・ナトリー”
二枚の紙をそっと封筒に戻すと、もう一度ナトリー家の家紋に目をやった。
きっと今頃、リリアーナはアドルフと一緒だろう。
この手紙もリリアーナと書いたのだろうか。
ジャックは洗顔や歯磨きなどを一通り終えると、着替えをし、さっき届いたばかりの手紙を手に外に出た。
時計を見ると、今はまだ10時半だ。
朝刊には遅過ぎる時間帯だし、夕刊はそもそもカルロー家では取っていないはずだ。
しばらく二度寝をしようとベッドでもぞもぞしていたがやはり落ち着かないようで、勢いよく布団を剥がし、ベッドから降りた。
郵便受けを開けて中身を掴むと、思っていたよりも上質な紙の感触がした。
取り出してみると立派な印鑑で封がされていて、手をかざすと魔法を感じることができた。
印は金色で、交えた剣を囲む二頭の虎が描かれている。
この街でその印を知らない者はまずいない。
それは何を隠そう、現在王制をとっているナトリー家の家紋なのである。
それを見たジャックは慌ててセドリックの書斎からペーパーナイフを取り出すと、封を開けた。
そこには小さな厚紙が一枚と、半分に折られた便箋が入っていた。
厚紙の方は城からの招待状で、もうすぐ舞踏会があるため、パートナー同伴で参加しろとの事だった。
もう1つの便箋を開いてみると、こういう内容だった。
“親愛なるジャック様
お久しぶりです、いかがお過ごしですか?
最近はお会いすることが減ってしまいましたが、この機会に是非またお話したいと思い、招待状を同封させていただきました。
パートナーの方をお連れして、是非ご参加いただければと思います。
それでは、ジャック様のご参加をお待ちしております。
アドルフ・ナトリー”
二枚の紙をそっと封筒に戻すと、もう一度ナトリー家の家紋に目をやった。
きっと今頃、リリアーナはアドルフと一緒だろう。
この手紙もリリアーナと書いたのだろうか。
ジャックは洗顔や歯磨きなどを一通り終えると、着替えをし、さっき届いたばかりの手紙を手に外に出た。