Time Paradox
謎の行動を起こしたリリアーナはというと、何故か城の厨房へと忍び込んでいた。
忙しなく動いている料理人達の目を盗み、厨房から地下へと続く階段を降りる。
階段の上段に置いてあったランタンに魔法で火を付けると、一瞬で部屋の壁に備え付けられているロウソクにも火が灯った。
明るくなった地下室には、たくさんの樽とワインが転がっていた。
ケースに並べられているワインは高級なのだろう、鍵がかかっていた。
リリアーナは気を遣ったのか、乱雑に転がっている白ワインのボトルを2本手に取り、そっと地下室を出た。
リリアーナが部屋に戻り、少し経った後にアドルフが部屋に入ってきた。
「…ハンナ様、厨房で何を?」
「何、つけてきてたの?…なら何となく分かるでしょ?」
リリアーナがそう言いながら部屋の高いところの棚から2つグラスを取り出すと、テーブルに置いた。
「あの、前回も前々回も…暴れられると困るんですよ…。」
アドルフは呆れたような顔をしていたが、リリアーナは御構いなしに薄黄色がかった透明な液体をグラスに流し込んでいる。
そして2つのグラスに注ぎ終えると、そっとアドルフの方に差し出した。
仕方なしにアドルフはグラスを合わせると、二人は飲み始めた。
もはや忘れてしまいたいのだろう、案の定リリアーナはハイペースでボトルを減らしている。
嫌な予感のするアドルフはそっと立ち上がると、鍵を締めた上にさらに魔法を掛け、酔ったリリアーナがまた外で暴れないようにした。
リリアーナは気付いていたが、黙って飲み進めていくだけだった。
だが、2本目を開けた頃には涙が頬を伝っていた。
まだ今回は静かに泣いているだけだとアドルフが安心していると、なにやらリリアーナはフラフラと立ち上がった。
「ちょっ…ハンナ様!」
アドルフが慌てて押さえつける形でソファに座らせると、リリアーナはその胸ぐらを掴んだ。
アドルフは何か乱暴を加えられるのではないかと身構えたが、リリアーナはその懐に顔を埋めて泣き始めた。
アドルフは黙って彼女の背中に手を回し、そっと抱きしめていた。
だがその時、何者かによって部屋の扉がノックされた。
アドルフがドアを開けると、執事が小さな声で相談を持ちかけているようだった。
その問いかけにアドルフは頷き、「後から行く」とだけ言って扉を閉めた。
リリアーナが鼻をかみながら彼に説明を求めると、アドルフはリリアーナの隣に座り、目を赤くする彼女に向き合った。
「…いつ行くの?」
心なしか寂しそうな顔をして尋ねるリリアーナに、アドルフは嬉しくなったのか頰や鼻先にキスを落とし、さらに彼女をソファに押し倒した。
「アドルフ…行かなくて大丈…っ」
アドルフはリリアーナの言葉を遮るように唇を合わせると、舌を絡め、それが首筋から下へと下がっていった。
リリアーナの着ていた服のボタンを上から順に外していき、さらに露わになった下着のホックを外した。
だが何となく恥ずかしくなったのか、リリアーナは目を逸らし、手で胸を隠した。
見兼ねたアドルフは、彼女をそっとベッドに誘導した。
忙しなく動いている料理人達の目を盗み、厨房から地下へと続く階段を降りる。
階段の上段に置いてあったランタンに魔法で火を付けると、一瞬で部屋の壁に備え付けられているロウソクにも火が灯った。
明るくなった地下室には、たくさんの樽とワインが転がっていた。
ケースに並べられているワインは高級なのだろう、鍵がかかっていた。
リリアーナは気を遣ったのか、乱雑に転がっている白ワインのボトルを2本手に取り、そっと地下室を出た。
リリアーナが部屋に戻り、少し経った後にアドルフが部屋に入ってきた。
「…ハンナ様、厨房で何を?」
「何、つけてきてたの?…なら何となく分かるでしょ?」
リリアーナがそう言いながら部屋の高いところの棚から2つグラスを取り出すと、テーブルに置いた。
「あの、前回も前々回も…暴れられると困るんですよ…。」
アドルフは呆れたような顔をしていたが、リリアーナは御構いなしに薄黄色がかった透明な液体をグラスに流し込んでいる。
そして2つのグラスに注ぎ終えると、そっとアドルフの方に差し出した。
仕方なしにアドルフはグラスを合わせると、二人は飲み始めた。
もはや忘れてしまいたいのだろう、案の定リリアーナはハイペースでボトルを減らしている。
嫌な予感のするアドルフはそっと立ち上がると、鍵を締めた上にさらに魔法を掛け、酔ったリリアーナがまた外で暴れないようにした。
リリアーナは気付いていたが、黙って飲み進めていくだけだった。
だが、2本目を開けた頃には涙が頬を伝っていた。
まだ今回は静かに泣いているだけだとアドルフが安心していると、なにやらリリアーナはフラフラと立ち上がった。
「ちょっ…ハンナ様!」
アドルフが慌てて押さえつける形でソファに座らせると、リリアーナはその胸ぐらを掴んだ。
アドルフは何か乱暴を加えられるのではないかと身構えたが、リリアーナはその懐に顔を埋めて泣き始めた。
アドルフは黙って彼女の背中に手を回し、そっと抱きしめていた。
だがその時、何者かによって部屋の扉がノックされた。
アドルフがドアを開けると、執事が小さな声で相談を持ちかけているようだった。
その問いかけにアドルフは頷き、「後から行く」とだけ言って扉を閉めた。
リリアーナが鼻をかみながら彼に説明を求めると、アドルフはリリアーナの隣に座り、目を赤くする彼女に向き合った。
「…いつ行くの?」
心なしか寂しそうな顔をして尋ねるリリアーナに、アドルフは嬉しくなったのか頰や鼻先にキスを落とし、さらに彼女をソファに押し倒した。
「アドルフ…行かなくて大丈…っ」
アドルフはリリアーナの言葉を遮るように唇を合わせると、舌を絡め、それが首筋から下へと下がっていった。
リリアーナの着ていた服のボタンを上から順に外していき、さらに露わになった下着のホックを外した。
だが何となく恥ずかしくなったのか、リリアーナは目を逸らし、手で胸を隠した。
見兼ねたアドルフは、彼女をそっとベッドに誘導した。