Time Paradox
「…なるほどな、スペシャルゲストってのはあのアドルフ王子か。」

どこからともなく現れたデリックにリリアーナは驚きつつも、アドルフ王子の事を思い出した。

「きっとあれだな、イザベラとアドルフ王子を結婚させようとしてるんだ。」

「結婚⁉︎」

「あぁ。一応このアーノルド家も王家と血が繋がってるんだ。」

「ええっ⁈」

思わず大きな声を出したリリアーナの口をデリックが手で押さえると、また話し出した。

「何世代か前に、王家であるケインズ家にたくさんの子供が生まれた。
その時に3番目の娘、ステラ・ケインズがアーノルド家に嫁いできた。
ステラは3番目の娘だし、後を継ぐ必要もなかったからだろうな。
もともと舞踏会には呼ばれるくらいの家柄だったが、ステラが嫁いできたことでますます王家との交流も深くなった。」

「へぇえ!だからこの屋敷に大きなホールがあるのね?」

「そういうことだ。そろそろ王子が来て面倒だから戻るぞ。」

デリックはそう言って、リリアーナを2階へと引っ張って行った。
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