Time Paradox
リリアーナとデリックはさりげなく会場に入ると、また付かず離れずの距離を保った。

リリアーナはデリックが味方なのか敵なのか分からなくなってしまった。

そもそもどういう意味の”大丈夫”なのだろうか。

リリアーナが考え込んでいると、目の前にある人物が立ち止まった。


そっと顔を上げると、そこには懐かしい人物が立っている。


「…アドルフ?」

リリアーナは静かに、そして恐る恐る尋ねる。

「えぇ、アドルフ・ナトリーです。こんな所でお会いできるとは。」

アドルフは丁寧にお辞儀をした。
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