Time Paradox
店長が忙しそうに部屋を出て行くと、ハレーと呼ばれた店員が自己紹介を始めた。

「初めまして。シャーロット・ハレーよ。名前は長いからハレーでいいわ。従業員が少なくて大変だったから、２人が来てくれて助かるわ！」

ハレーは照れくさそうにはにかむと、２人にも自己紹介を促した。

「ジャック・カルローです。お世話になります。」

「リリアーナ・キュリーです。ハレーさん、これからよろしくお願いします。」


ニコニコと３人の間には和やかな空気が漂ったが、ハレーは思い出したように時計を見る。

「大変だわ！そろそろお店が混み合う時間帯よ！」

そう言ってハレーは部屋のドアを開け、更衣室まで案内した。

「こっちが男子更衣室、こっちが女子更衣室。鍵のかかってないロッカーに制服が入ってるから、着替えて荷物をロッカーに入れて鍵をかけて来て。」

２人は頷くと、ハレーは急いで仕事に戻ってしまった。

ジャックとリリアーナも急いでそれぞれの部屋に入り、制服に着替える。


リリアーナの制服はハレーの着ていたものと同じで、膝下の丈の紺色のワンピースに白いエプロンを付けるようになっている。

ワンピースには襟があり、袖もスカートもふんわりと膨らんでいて、エプロンの肩のところはフリルがあしらわれている。

ウェイトレスらしいおしゃれな制服である。


リリアーナは言われた通りに荷物をロッカーに仕舞い、鍵をかけて更衣室を出た。


ジャックはとっくに着替え終わっていて、ハレーと共に部屋の前の廊下でリリアーナを待っていた。

「着替えました！」

リリアーナがロッカーの鍵をポケットに仕舞いながら言うと、ハレーはにっこり頷いた。

「なかなか似合ってるんじゃない？でも髪はもうちょっとまとめなきゃいけないわね。」

ハレーはそう言うと、背中の真ん中あたりまであるリリアーナの茶色い髪を、後ろでしっかりと三つ編みにした。

「ありがとうございます。」

「何でもいいけど、明日からはこのくらいにまとめて来てね。それから、店長は２人にホールを任せるって言ってたから、 仕事を教えるわね。」
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