Time Paradox
ハレーは2人に、店内の様子が見える場所から説明する。


「じゃあまず、客を出迎える所から説明するわね。入り口のレジの所には1人立ってなきゃいけないの。ほら、今はあの男の人が立ってるでしょ?
それで、窓からお客さんが見えたらドアのところまで行って開けてあげるの。
お客さんがみんな店内に入ったら、”いらっしゃいませ!”って元気に言って、何名様なのか聞くのよ。
例えば、3人いたら”3名様でよろしいでしょうか?”って感じでね!
そしたら空いてる席に案内するの。
その時は、”それでは、お席の方をご案内いたします。”って言うのよ。」

ハレーの説明に2人が頷くと、ちょうど客が来たようだ。

「ほら、あんな感じよ。」

見ると、2人の客が入ってきた。

店員の男性はハレーの説明と同じように客に挨拶と案内をしていた。

そして男性は、客が席に座ると丁寧に挨拶をした。

「本日はご来店誠にありがとうございます。ただいまお冷をお持ちいたしますので、ご注文が決まりましたらお呼びくださいませ。」

そう言ってお辞儀をし、お冷を取りにカウンターの奥へと消えて行った。


「あんな感じよ。それから、決めるのが早いお客さんはお冷を持って行った時に注文を言い付ける事もあるの。
その時はお冷を置いてからちゃんと伺ってメモしてね。
…まぁお冷を持ってってからまた呼び出される事がほとんどだけど。」

ハレーはそう言って肩をすくめると、次の説明に取り掛かった。


2人は全ての説明を聞くと、何とか頭に詰め込んだ。

「大丈夫そう?まだメニューは覚えてないと思うから、お客さんを案内するところまででいいよ。それから会計もしてもらうから、2人はレジのところに居てね。」

だんだん忙しくなってくる店内に、ハレーは焦っていたのかどんどん早口になっていた。

「それじゃあ私は自分の仕事に戻らなきゃだから、悪いけどあとはよろしくね!」

そう言ってハレーは急ぎ足で注文を取りに行った。

2人も急いでレジへ向かった。
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