Time Paradox
リリアーナはショーウィンドウの綺麗な服を見て、自分の着ている時代遅れのヨレヨレの服が何だか恥ずかしくなってしまった。


「…私、そろそろ服が欲しいなぁ…」


リリアーナがそう呟くと、ジャックはすかさず近くの服屋へと引っ張った。


まるでお城のような内装の服屋には、たくさんの服が並んでいた。


「たくさんありすぎて迷うなぁ…。」


「リリアーナ様、このような物はいかがでしょう？」


ジャックが手にしていたのは、襟のついた水色のロングワンピースだった。


「…可愛いかも！」


「お客様、よろしければご試着はあちらで。」


リリアーナは店員に連れられて試着室で着替えると、ついでに勧められた靴も試着した。


「お客様、とても良くお似合いですよ！せっかくですから髪の毛も簡単にセットいたしますね！」


そう言って店員は、リリアーナの腰まである髪をサイドで三つ編みにし、服と同じ色のリボンで結んだ。


「とってもお綺麗です！」

「いや、そんなことは…」


鏡で見てみると、足首の見える丈のスカートに茶色の革靴、ワンピースと同じ色のリボン、という統一感のあるコーディネートになった。


「せっかくですから、恋人の方にもお見せしましょう！」

「あ、あの人は恋人では…」


そう言いかけたリリアーナを、店員はやや強引にジャックと引き合わせた。
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