Time Paradox
リリアーナはアドルフの部屋のドアを叩くと、程なくして本人が顔を出した。
「ハンナ様?」
「ちょっと確認したいことがあって…」
リリアーナは部屋に入ると、アドルフに地図を見せた。
「別に大したことじゃないんだけど、私気になることがあると眠れなくなる性格で…」
リリアーナそう前置きし、すぐに本題に入った。
「この地図、同じ物をアドルフも持ってるわよね?」
「はい。あの頃、2人で隠し通路の地図を作ってみようという事になりましたからね。今も持っていますよ?」
アドルフは楽しそうに言うと、辞書の間に挟めていた地図を取り出した。
「この隠し場所も2人で考えましたからね。今まで誰も見つけた人はいませんでしたよ。」
「…そうなの?ねぇアドルフ、私の辞書に挟んであった地図、机の引き出しに移動させたりしてないよね?」
リリアーナが恐る恐る聞くと、アドルフは笑いながら答えた。
「まさか、僕がわざわざそんなことをしたところで、何になるんですか!」
「…そうよね、それはないと思ったわ。じゃあ一体誰が…?私がいない間、あの部屋は使われてなかったはずなのに…。」
「…まさか、誰かが触った形跡があるという事ですか?」
「…きっとそうよ。だって、私ちゃんと辞書に挟めておいたのに、引き出しの中にしまわれてあったなんておかしいじゃない?」
「…たしかにハンナ様の不注意でないのなら、それは誰かが戻すときに間違えて机の引き出しに仕舞ってしまったとしか考えられませんね。
戻すという事はつまり、その人がそれを見たという事…こう考えると、地図が何者かに見られてしまったのは確かですね。」
「…えぇ。悪用されてないといいけど。」
「あの地図を悪用されたら大変ですからね。本当はあまり知られてはいけない通路で遊んでいたわけですし。」
アドルフは渋い顔をして言った。
「誰かが私の部屋に出入りしていた事がなかったか、アビーやメイド達にも聞いてみるわ!みんな噂には敏感なはずだから。アドルフ、お仕事の邪魔してごめんね!」
「いえ、ちょうど休憩していた所ですから。」
「ありがとう!」
リリアーナはそう言ってアドルフの部屋を後にした。
「ハンナ様?」
「ちょっと確認したいことがあって…」
リリアーナは部屋に入ると、アドルフに地図を見せた。
「別に大したことじゃないんだけど、私気になることがあると眠れなくなる性格で…」
リリアーナそう前置きし、すぐに本題に入った。
「この地図、同じ物をアドルフも持ってるわよね?」
「はい。あの頃、2人で隠し通路の地図を作ってみようという事になりましたからね。今も持っていますよ?」
アドルフは楽しそうに言うと、辞書の間に挟めていた地図を取り出した。
「この隠し場所も2人で考えましたからね。今まで誰も見つけた人はいませんでしたよ。」
「…そうなの?ねぇアドルフ、私の辞書に挟んであった地図、机の引き出しに移動させたりしてないよね?」
リリアーナが恐る恐る聞くと、アドルフは笑いながら答えた。
「まさか、僕がわざわざそんなことをしたところで、何になるんですか!」
「…そうよね、それはないと思ったわ。じゃあ一体誰が…?私がいない間、あの部屋は使われてなかったはずなのに…。」
「…まさか、誰かが触った形跡があるという事ですか?」
「…きっとそうよ。だって、私ちゃんと辞書に挟めておいたのに、引き出しの中にしまわれてあったなんておかしいじゃない?」
「…たしかにハンナ様の不注意でないのなら、それは誰かが戻すときに間違えて机の引き出しに仕舞ってしまったとしか考えられませんね。
戻すという事はつまり、その人がそれを見たという事…こう考えると、地図が何者かに見られてしまったのは確かですね。」
「…えぇ。悪用されてないといいけど。」
「あの地図を悪用されたら大変ですからね。本当はあまり知られてはいけない通路で遊んでいたわけですし。」
アドルフは渋い顔をして言った。
「誰かが私の部屋に出入りしていた事がなかったか、アビーやメイド達にも聞いてみるわ!みんな噂には敏感なはずだから。アドルフ、お仕事の邪魔してごめんね!」
「いえ、ちょうど休憩していた所ですから。」
「ありがとう!」
リリアーナはそう言ってアドルフの部屋を後にした。