だから、俺の彼女になってよ。
────…そして、そのチャンスは訪れた。訪れて、しまった。
ある日の昼休みのこと。
「あれ、香織?」
たまたま職員室の前を通りかかったとき、私はかなりの量のノートを手にふらふらと歩いてる香織と遭遇した。
「どうしたの?それ」
「あ、澪南。今日あたし日直だから頼まれちゃって。クラスのみんなに返却しとけー、だって」
えへ、なんて笑う香織は、やっぱりいい子だ。
でも、華奢な香織にそのノートの量は多すぎる。
見ているこっちまでヒヤヒヤするよ。こんなの、女の子が持つ量じゃない。
「重いでしょ?私も手伝うよ」
さすがに香織1人放ってなんておけなくて、そう言って手を伸ばした、そのときだった。
廊下の奥で、誰かと話してる様子の和を見つけたのは。