だから、俺の彼女になってよ。





────…そして、そのチャンスは訪れた。訪れて、しまった。




ある日の昼休みのこと。




「あれ、香織?」



たまたま職員室の前を通りかかったとき、私はかなりの量のノートを手にふらふらと歩いてる香織と遭遇した。



「どうしたの?それ」

「あ、澪南。今日あたし日直だから頼まれちゃって。クラスのみんなに返却しとけー、だって」


えへ、なんて笑う香織は、やっぱりいい子だ。




でも、華奢な香織にそのノートの量は多すぎる。


見ているこっちまでヒヤヒヤするよ。こんなの、女の子が持つ量じゃない。




「重いでしょ?私も手伝うよ」



さすがに香織1人放ってなんておけなくて、そう言って手を伸ばした、そのときだった。




廊下の奥で、誰かと話してる様子の和を見つけたのは。



< 14 / 391 >

この作品をシェア

pagetop