だから、俺の彼女になってよ。



……それでも。


今は、澪南だ。


ここで澪南を放ってしまったら、あたしはきっと一生後悔する。



こんなに仲良くしてくれたのに、このままは嫌だ。





「佐久間くん、あたし、ちょっと澪南を探してくる!」

「えっ、ちょ……香織!?」



朝のHRが始まるまでにはまだ時間がある。


澪南は用事があるって言ってたけど、なんとなく嘘なんじゃないかと思った。




今までも彼女はこんな嘘をついてきたんだろうか。


そしてあたしは、そのことに気づかず笑ってたんだろうか。



だったら、なおさら。


あたしは、澪南とちゃんと話さなきゃいけない。



< 154 / 391 >

この作品をシェア

pagetop