だから、俺の彼女になってよ。
……それでも。
今は、澪南だ。
ここで澪南を放ってしまったら、あたしはきっと一生後悔する。
こんなに仲良くしてくれたのに、このままは嫌だ。
「佐久間くん、あたし、ちょっと澪南を探してくる!」
「えっ、ちょ……香織!?」
朝のHRが始まるまでにはまだ時間がある。
澪南は用事があるって言ってたけど、なんとなく嘘なんじゃないかと思った。
今までも彼女はこんな嘘をついてきたんだろうか。
そしてあたしは、そのことに気づかず笑ってたんだろうか。
だったら、なおさら。
あたしは、澪南とちゃんと話さなきゃいけない。