だから、俺の彼女になってよ。
え、何……?あなたは私の何を知ってるっていうの。
驚きが半分。そして、いきなり図星を突かれたことへの恥ずかしさが半分。
なに、この人。嫌な感じを通り越してムカつくんだけど。
「あなたには関係ないでしょ」
腹が立ってそう言い返すと、そいつは不敵に笑って一歩私に近づく。
切れ長の二重に、通った鼻筋。薄い唇。そして、真っ黒な髪。
嫌味なくらいに整った顔立ちなだけに、ドキッとしてしまった自分が悔しい。
「まぁ、頑張りなよ」
そう言葉を残したその人は、そのまま呆気なく去って行ってしまった。