だから、俺の彼女になってよ。




「……ったく。本当あんたってバカだよね」

「へっ?」

「あーもう。こっち見んな」

「え、ちょっと……っ!」



わけがわからないまま、黒川くんの手のひらが飛んできて、視界を覆われた。


突然のことで状況を確認したいのに、視界が真っ暗じゃ彼がどんな表情をしてるのかすらわからない。




でも、声だけは聞こえるわけで。




「大丈夫。任せなよ。あんたの望み通り、そばにいてやるから」


その頼もしい声が聞こえて安心できたのは、確かだった。




< 209 / 391 >

この作品をシェア

pagetop