だから、俺の彼女になってよ。




「ごめん、待った?」

「全然大丈夫だよ。あたしたちもさっき着いたとこだし。ていうか、勝手に先行っちゃってごめんね?」



わざわざ謝ってくる香織は、本当にいい子だ。


シレッとしてるバカ和とは大違い。





最初は気まずそうにしてた香織も、今ではすっかり元のように接してくれるようになっていた。


私の我が儘なのは分かってるけど、変に気を遣われるよりはありがたい。



このデートが決まったときだって、この子はきっとすごく悩んだんだろう。


でも、こうして普段通りに接してくれる。それが香織の優しさ。



「おっ、千歳!ちゃんとまともな服で来たな。よしよし」

「うるせ。お前、ちゃんと俺らの分払えよ?」

「あーはいはい。わかってるって!」


和と黒川くんの絡みに、香織と2人でクスッと笑った。



せっかくの遊園地だ。


今日は楽しむことにしよう。



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