だから、俺の彼女になってよ。
「葉山?どうかしたか?」
「えっ!?あ、いや……なんでも、ないです」
黒川くんに話しかけられて、どんどん衰退していく声のボリューム。
小さい頃から、私はどうもお化けとかホラー系が苦手だった。
その苦手レベルは自他共に認めるくらいの酷いもので。
「あぁ。澪は来なくていいからな。お前ダメだろ、明らかに」
「う……。はい」
もちろん、付き合いの長い和もそのことは嫌ってほど知っていた。