だから、俺の彼女になってよ。
「最近澪、ぼーっとしてるよな」
「えっ?」
突然言われたその言葉に、思わず顔を上げた。
「なにかあった?」
「……っ」
見上げると目の前には、大好きな人の心配そうな顔。
ていうか……、ち、近い……っ。
そんな至近距離に来られたら、いくらなんでもドキドキしてしまう。
「な、なんでもないっ!大丈夫!」
「ふーん……。ならいいんだけど」
顔が赤くなるのを何とか隠してそう言った私に、和は納得がいっていない様子。
だって、言えるわけがない。
本当はあったよ。たくさんあり過ぎるくらい、今でもあるんだよ。
でも、そんなこと言えるわけがないから。だから、これは絶対に和には内緒なんだ。
「何かあったらすぐに言えよ?お前はいつも1人で抱え込むんだから」
「……うん。ありがと」
───…好き。好きだよ、和。
だから、ごめんね。
私はもう、和に頼ったりなんかしない。